抄録
本研究では、鉄電解法によるリン除去システムを組み込んだ嫌気好気生活排水処理装置において、好気槽ばっ気用のブロワの稼働を一定時間停止することにより、鉄電解リン除去システムの組み込みによる増大消費電力量の削減と、処理水質の維持の可能性について検討評価を行った。その結果、消費電力増大分を好気槽ばっ気ブロワ停止運転によりある程度相殺できることが示されたが、さらなる消費電力削減のための研究開発が必要と考えられた。また、好気槽ばっ気停止運転のリン、BOD、SSの除去性能に及ぼす影響はほとんどないと考えられた。しかしながら、ばっ気停止運転は硝化活性と窒素除去性能に若干の影響を及ぼす可能性が示唆されたことから、生活排水処理装置としての立ち上げ期間の短縮も含めたさらなる検討が必要と考えられた。