日本水処理生物学会誌
Online ISSN : 1881-0438
Print ISSN : 0910-6758
ISSN-L : 0910-6758
報文
窒素,リンの絶対量およびN/P比によって変化する藍藻類Microcystis aeruginosaと珪藻類Cyclotella sp.の優占化特性
榮田 愛天野 佳正相川 正美町田 基
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 49 巻 2 号 p. 47-54

詳細
抄録
本研究は,単藻培養およびCyclotella sp.との混合培養実験を通じ,M. aeruginosaの窒素およびリンの絶対量とN/P比(重量比)に対する依存性について検討した。また,本研究結果と既往の報告で明らかにされている結果からM. aeruginosaの優占化とN/P比の関係について考察した。その結果,単藻培養でのM. aeruginosaおよびCyclotella sp.の増殖は,窒素およびリンの絶対量によらず,N/P比に依存していることがわかった。中栄養湖沼の条件(P=0.05 mg/l)にて両種を競合させた場合,培地のN/P比を1に,あるいはリンの絶対量を0.05~0.1 mg/lに下げることでM. aeruginosaの増殖が抑制できたのに対し,富栄養湖沼の条件(P=0.5 mg/l)では,M. aeruginosaの増殖抑制はN/P=1の条件のみで観測された。アオコの発生を引き起こすとされる低TN/TP比(TN/TP比<29)は,湖水の窒素およびリンを吸収し,細胞構成に費やされた細胞内窒素およびリンの値を反映している可能性が示唆された。
著者関連情報
© 2013 日本水処理生物学会
次の記事
feedback
Top