抄録
PVA担体に活性汚泥由来の生物膜を形成させ,この担体を用いたNH4-N 400 mg/lを含有する無機合成廃水の硝化連続処理運転を行い,硝化速度に及ぼす負荷と水温の影響について検討した。負荷0.56―1.20 kg-N/m3/dayで亜硝酸型の硝化反応を示し処理水NH4-N 1.0 mg/l以下を得た。その後,負荷を増大させた結果,亜硝酸型と硝酸型が混在する硝化が継続し最大硝化速度1.95 kg-N/m3/dayを得,高速処理運転を達成した。この担体の温度特性を回分実験で検討した結果,アンモニア酸化反応における活性化エネルギーとして77.9 kJ/molを得た。この値は包括固定化法とほぼ同等であった。この担体についてアンモニア酸化細菌遺伝子amoAとNitrobacter属遺伝子norBを標的としたリアルタイムPCR解析を行った。硝化速度1.61 kg-N/m3/dayのとき,amoAのコピー数は2.08×1011コピー/g-担体,norBは6.04×1010コピー/g-担体を得た。また次世代アンプリコンシーケンス解析の結果,リード数23,848のうち25%がNitrosomonadaceae科である事を明らかにできた。