抄録
本研究では,複槽式活性汚泥法への自動酸素供給装置(Automatic Oxygen Supply Device: AOSDと呼称)システムの導入により,維持管理性の容易化と電力削減および有機物と窒素の除去性能を向上させ,生物処理を安定化させることを比較解析した。また,蛍光式とポーラロ式の溶存酸素(DO)センサーを用いて処理性能の安定化のための維持管理性を踏まえたAOSDシステム導入自動制御における蛍光式DOセンサーの優位性を嫌気・好気活性汚泥法を対照系として比較解析した。蛍光式DOセンサー設置系では,生物化学的酸素要求量(BOD),全窒素(TN),およびアンモニア態窒素(NH4+-N)の除去率は,それぞれ96±1%,80±2%,および97±1%であり,安定した性能が得られ、同時に微生物の活性化および汚泥の凝集能が促進された。対照系では,それぞれ94±2%,70±9%および97±1%であったが、性能の不安定さが確認された。AOSDシステム導入複槽式活性汚泥法の一日の電力消費量は,従来法の嫌気・好気活性汚泥法と比較して56%減少した。また,ポーラロ式DOセンサーは維持管理頻度が高く,蛍光式DOセンサーの優位性が認められた。蛍光式DOセンサーとAOSDシステム制御を導入した複槽式活性汚泥法においては,高い除去性能と省エネルギー化の達成が可能であり,電力削減高度処理システムとして適用可能であることが明らかとなった。