2020 年 56 巻 2 号 p. 17-26
大阪湾に流れる淀川の十三干潟(汽水域)と城北ワンド(淡水域)の底泥試料を2014~2015年に採取し、底泥微生物の群集構造と代謝機能に関する基礎データを得た。微生物の遺伝子型を真正細菌の16S rRNA遺伝子のT-RFLP解析によって、表現型を95種類の炭素源を搭載するBiolog GN2プレートによって解析した。汽水域の微生物の群集構造と炭素源資化能は、淡水域のものと大きく異なった。正準相関分析によって、電気伝導率(塩分)と水温によって河口域微生物群は特徴づけられた。硫酸還元菌が属するデルタプロテオバクテリアが汽水域の底泥に多いことが示され、海水中の硫酸イオンが微生物群集に影響していることが示唆された。汽水域と淡水域の両者において、夏と秋における植生域底泥の従属栄養微生物数とT-RFLP解析と炭素源資化能の多様性は、非植生域よりも高く、河川植生がその根圏微生物に影響を与えていることが示された。