日本水処理生物学会誌
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多孔質ろ材とタイダルフロー条件がナノ銀付加ろ床の消毒作用に及ぼす効果
中野 和典野村 陸遠藤 直宏佐藤 佑太
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2020 年 56 巻 2 号 p. 27-32

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抄録

本研究では、塩素を使用せず電力や光も不要な消毒処理システムを開発することを目指し、光に依存せずに活性酸素を介した消毒作用の発揮が可能な銀ナノ粒子を付加したろ床を考案した。7種類のろ材にナノ銀を付加し、回分消毒試験により消毒作用を比較した結果、高い消毒作用を示した上位3種のろ材は、軽石、活性炭及びゼオライトであり、その共通点が多孔質であることから、ナノ銀の消毒作用を発揮させるろ材として多孔質ろ材が適していることが明らかになった。最も消毒作用に優れていたナノ銀付加軽石をカラムに充填してろ床を作製し、大腸菌群を含む試験水の流入と排出を間欠的に行うタイダルフロー条件で連続消毒試験を行い、タイダルフロー条件が消毒作用に及ぼす効果と消毒作用の持続性について検証した結果、ナノ銀付加ろ床と試験水の接触時間よりもろ床が大気に晒される干水時間が重要であり、干水時間が長い程、高い消毒作用が得られることが明らかとなった。消毒処理回数の積算値が100回を超えても消毒作用を維持できたことから、軽石に付加したナノ銀の消毒作用の持続性を確認することができた。これらの結果より、ナノ銀付加ろ床により塩素や電力に依存せずに消毒処理が行えるシステムが構築できる可能性を示すことができた。

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© 2020 日本水処理生物学会
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