生物学的硝化脱窒法は、低コスト・省エネルギー型の排水処理方法として広く利用されている。水温変化により処理性能が低下することが知られており、多くの研究では冬季水温を想定した低水温での影響評価が行われている。一方、国内では夏季における最高気温は40℃を超えることが確認されており、高温条件による硝化性能への影響が懸念されている。そこで本研究では、異なる2種類の担体を用いた連続試験系において、高温水温が及ぼす硝化性能への影響を評価した。試験には、ポリビニルアルコール製のスポンジ担体(PVA担体)およびポリエチレン製の筒状担体(PE担体)を用いた。水温30℃で運転しているリアクターを、急激に水温35、38および40℃に上昇させたが、処理水質には変化は無かった。しかしながら、水温を43℃に上昇させると処理水中の亜硝酸濃度の上昇が確認され、さらに水温45℃とすると急激な活性低下が生じた。これらの傾向は担体の種類による影響は無いが、活性低下の度合いはPE担体よりもPVA担体の方が低い傾向が示された。PVA担体において、約4ヶ月間で水温を35℃から45℃に徐々に上昇させる試験を実施した結果、水温43℃までは水質に影響は現れないものの、水温を45℃に上昇させると、急激にアンモニア酸化活性が低下する傾向が確認された。生物叢解析の結果から、担体の種類が異なると構成される生物叢が大きく異なることが確認され、温度上昇に伴う応答性も異なることが示された。