2024 年 60 巻 1 号 p. 9-17
ろ材に砂を用いた人工湿地メソコズムに干満流を適用し,干満サイクルを24 hに固定して4条件の干満時間比率で合成廃水の処理性能を比較した結果,CODCr及びT-N除去率の最高値は干満時間比率3:1(干水時間18 h:満水時間6 h)で得られることが明らかとなった。ろ材にゼオライトを用い干満流と部分飽和を組み合わせた人工湿地メソコズムに干満時間比率3:1を適用し,干満サイクルを段階的に短縮することにより負荷量を増加させ,水質浄化性能の限界を検証した結果,負荷量を5倍にした条件において得られたCODCr及びT-N除去原単位はそれぞれ243g/m2 d及び13.8g-N/m2 dであった。これらの除去原単位は,負荷量をさらに高めれば増加することが予測されたが,除去率90%以上を前提とした除去原単位としては限界値であると考えられた。一方,T-P除去性能は干満サイクルの短縮化の影響を大きく受け,除去率90%を維持できたのは干満サイクル24 hでの処理だけであった。T-P除去原単位の最大値は負荷量を4倍にした条件で得られ,0.472g-P/m2 dであった。これらの結果は,ろ材にゼオライトを用いた干満流人工湿地に部分飽和を組み合わせることで人工湿地の除去原単位を大幅に改善できることを示すものであり,人工湿地の大幅な省面積化への貢献が期待できる。