2005 年 59 巻 5 号 p. 627-632
弊社は, 「第一種エネルギー管理指定工場」として, 長年省エネルギーに取り組んできたが, 新たな省エネルギー対策を模索する中で, 従来とは視点を変え, 工場内にエネルギーとして利用できるものはないか検討を行ってきた。
太陽光発電や風力発電など, すでに身近な新エネルギーシステムはあるものの, 企業として設置するには, 経済効果が十分でないものがほとんどである。
今回設置した, 工業用水を利用した小型水力発電システムは, 最大出力9.6 kWhと小規模ながら, 稼働日数が, 昼夜を通し年間300日以上見込まれ, 経済的にも十分成り立つ設備である。特に当水力発電システムは, 専用水路および水源のない場所での設置を考慮されたもので, 落差, 水量の変化に幅広く対応できる制御システムである。微少なエネルギーではあるが, 長期的な省エネルギー施策として設置した。