紙パ技協誌
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パルプ特集
酵素製剤オプティマイズによる故紙由来 スティッキィコントロールについて
木村 漢明
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2006 年 60 巻 7 号 p. 1005-1011

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抄録

古紙再生パルプの需要が増大するにつれて,原料の品質は必然的に悪化してきている。古紙パルプ使用の抄造システムは,接着剤を始め,幾つかの有機物から発生する粘着物(スティッキィ)と呼ばれるデポジット問題を常に内包している。これら粘着物は完成品のグレードの低下,生産性の低下,リジェクトの増加等によるごみ処理コストの増加といった様々なトラブルの原因となっている。弊社は環境に優しい安全性の高い薬剤を使用して,完成品・損紙等を含めたこれら粘着物問題への解決の一手法を見出した。
その薬剤はスティッキィコントロール剤オプティマイズである。本製品は新たに開発され,特許登録済みの酵素をベースとしている。オプティマイズは特別な安定化技術により製剤化されており,オフィス古紙・新聞古紙・ダンボール古紙といった古紙原料全般に効果を発揮する。粘着物を分解し,粘着性を低下させる働きに特化しており,結果として異物の量を減少させ,デポジットを抑制する働きを持つ。
オプティマイズは危険性の高い薬剤に代わりうる酵素製剤であり,2004年に米国EPAよりその安全性を評価され,グリーン・ケミカル・アワードを受賞している。

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© 2006 紙パルプ技術協会
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