紙パ技協誌
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総説・資料
濃度調整型ヘッドボックスの操業経験
中里 覚
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2006 年 60 巻 8 号 p. 1129-1132

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抄録

王子板紙佐賀工場5マシンは,1985年にハイスピードウルトラフォーマー(5層抄き)を導入したが,増速に伴い,ヘッドボックス流量が設計流量を超え,幅方向のBDプロファイルに悪影響を及ぼし,リッジ(ドラム缶ジワ)の問題が顕在化した。この問題を解決すべく,1997年より計画的にヘッドボックスを更新し,2002年にはマイクロロッドによる幅方向BDプロファイル調整装置付のヘッドボックスを導入した。そして今回,最終段階として,濃度調整型ヘッドボックスを導入することとした。
濃度調整型ヘッドボックスの導入により,BDプロファイルで最大48%,キャリパープロファイルで最大25%向上した。さらに,紙替時間を1回あたりの平均で2.4分,抄出時間を平均で3.8分短縮することができた。
本報では,5マシンに導入した濃度調整型ヘッドボックスの概要,これまでの操業経験と導入の効果について紹介する。

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© 2006 紙パルプ技術協会
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