2009 年 63 巻 4 号 p. 401-403
王子製紙(株)米子工場では,2005年7月RPFボイラーを導入した。RPFボイラーは,製紙原料等へのマテリアルリサイクルが困難な古紙と廃プラスチック等より製造されるRPFを主に,タイヤ,木くずを燃料としており,当工場で必要なエネルギーの約35%をこのボイラーで賄っている。
RPFボイラーによる発電は,廃棄物を燃料として有効利用するため,ボイラーに使用される化石燃料の量を減らす効果があり,当工場では,地球の平均気温を上昇させる二酸化炭素の排出量を,ボイラー設置前に比べて約75%少なくすることができた。
一方,RPFボイラーの操業にあたって,RPF中の塩素によるボイラー腐食の問題が発生する。従来のRPFの塩素分析法では,サンプル調製と測定に多くの時間とコストを要していた。当工場で,塩素分を迅速に測定できる蛍光X線分析による測定方法を導入して効果を挙げているので,本報でこれについて紹介する。