今日,多段塗工板紙の塗料配合において炭酸カルシウムの使用割合は増加の傾向にある。それに伴い,塗工表面のマクロな粗さ(マクロラフネス)を制御することがますます重要となる。このことは,塗料配合中に残るカオリン部分による被覆性への要求を強める。
結果として,我々はダブル塗工において,上塗りよりもむしろ下塗りにおいてカオリンの機能を使用することに意味があると考える。つまり,下塗りにおいて粗粒タイプの炭酸カルシウムにカオリンを配合することにより品質が向上し,コストをコントロールするための上塗りの配合の自由度が増すこととなる。
本報告では,古紙配合の白板紙を原紙とし,パイロットコーターおよび実験室での評価を通じて,下塗りへの少量のカオリン配合が被覆性と均一性を改善できる方法を示す。光学的均一性,印刷適性,ニス引き性を含む板紙の品質に対する下塗り配合の影響を調査した。また上塗りにおけるラテックスの添加量が与える影響についても紹介する。