紙パ技協誌
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総説・資料
ボイラ水冷壁における肉盛溶接部のいくつかの特徴
福本 宏昭後藤 武俊
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キーワード: U4ボイラ, U0その他
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2013 年 67 巻 11 号 p. 1304-1307

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抄録

近年,発展途上国のエネルギー需要増大に伴い高品位な燃料の値上がりが生じ,安価な低品位の燃料の利用が進んでいる。低品位の燃料の利用は塩素分,硫黄分による腐食や焼却灰の固結が生じ易いなど,ボイラの操業上多くの課題があり,その対策が日々模索されている。
ボイラ水冷壁の肉盛溶接技術は1990年頃より北米におけるゴミ発電ボイラの腐食対策として採用され,有効な肉盛溶接施工法として定着している。国内では石炭抱焚きボイラなどの水冷壁に溶射が採用されている事例が多いが,抜本策ではなく,現在肉盛溶接による効果が確認されているところである。当社は,腐食,浸食による損傷の激しいボイラを中心に肉盛による保全策を提案し,具体的効果を確認しながら実績を積重ねている。
本稿では,水冷壁に適用される肉盛溶接金属のいくつかの特徴およびこれらの材料を使用し国内外で実施された水冷壁の肉盛施工事例を以下の項目に沿ってご紹介する。
1)ボイラ水冷壁に適用される肉盛溶接材料に関する検討
・Cr量とNi量の腐食への影響
・合金成分および肉盛金属の物性値
2)ボイラ水冷壁パネルの損傷現象と対策
・黒液回収ボイラ
・新エネルギーボイラ(流動層ボイラ)
・石炭焚きボイラ

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© 2013 紙パルプ技術協会
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