紙パ技協誌
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省エネルギー特集 I
中圧蒸気系統新設による省エネ取り組み
中村 仁
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2014 年 68 巻 6 号 p. 629-632

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抄録

抄録燃料価格の高騰により収益改善が急務となってきている昨今,更なる省エネルギーへの取り組みが重要となっている。
当工場発電係では隣接のA社に蒸気を供給しているが,ボイラーで発生した6.86MPaの高圧の過熱蒸気を1.20MPaまで減圧・減温して供給しているためエネルギー損失が大きいという問題がある。
このような状況下で,他職場である廃燃ボイラーの発生蒸気圧力がA社供給圧力に近いことから,この蒸気を直接供給することが出来ればエネルギー損失を抑えコストの削減が可能ではないかと考え,職場の枠を超えた検討を進めた。
結果,廃燃ボイラーのアキュームレーター出口圧力を変更し中圧蒸気ラインを新設することで,減圧によるエネルギー損失はほぼ解消することができ,また,蒸気供給先を振り替えたことで発電電力の増加に繋がり,コスト削減に寄与することができた。
コスト削減以外の点でも本稿で紹介する中圧蒸気ライン圧力制御の変更による様々な効果が確認された。
本稿では,省エネ効果を中心に新たな制御方法についても合わせて紹介する。

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