紙パ技協誌
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省エネルギー特集 I
川内工場における省エネの取組み
下山 慎吾
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2018 年 72 巻 6 号 p. 588-593

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抄録

エネルギー多消費型の製紙業において,省エネ活動は環境対策及びコスト削減に向け,有効な手段であり,当工場でも工場全体で活動に取り組み成果を上げてきた。しかしながら活動が進むに連れ,容易に効果を上げられる案件が少なくなり,工場で毎年設定している省エネ目標の達成が近年,厳しい状況にある。

当工場では省電力,省重油,節水の3項目について省エネに取り組んでいるが,例年達成率が高いのは省電力である。年々インバータ設置スペースに苦慮しながらも狭いスペースを有効活用して工事を進めてきた。2017年度には一部電気室を拡張し,各マシンドライヤーフードの給排気ファン等のインバータ化を実施することで大きなメリットを上げ,省電力達成率は12月までの実績において154%となっている。

省重油に関しては省電力と比較すると達成率が低く,更なる案件の掘り起しが必要であり,節水に関しては用水が河川水であり,用水単価が安価であることから,費用対効果のある案件が少ない状況ではあるが,社員一丸となって目標達成に向け取り組んでいる。

本稿では過去3年間で実績が上がった省電力,省重油案件を代表して3件の事例を紹介する。

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