紙パ技協誌
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省エネルギー特集 I
秋田工場における省エネルギーへの取組み
伊達 宣浩
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2018 年 72 巻 6 号 p. 594-598

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抄録

秋田工場の省エネルギー活動において,2015年には目標値を大きく下回る結果となった。その状況を打破するために,2016年度は日本ビジネス革新コンサルティング㈱(JBIC)より指導を頂き,ネイガー活動と称する省エネルギー活動を展開した。目標は「工場の前年総エネルギー使用量の3%分の省エネ案件発掘」,月4回の活動で約1年間,工場各部門から選抜されたメンバーが一丸と取り組んだ。

活動の前半は現状の工程あるいは機器の状況把握,つまりフローシート,マテバラを作成し,その後燃料,電力,水,蒸気,エアの使用量を調査しエネルギー使用量を把握した。後半はその工程や機器の機能状態の分析,設備仕様を振り返り温度や流量,品質等に乖離はないか,エネルギー収支を検討し熱源は有効利用されているか,出入口温度は仕様通りか等を検討し,改善されるべきテーマ素材に気付いたら即座に記録することであった。そして是正のために損失の大きさやエネルギー源,改善の方法により充分な利益をもたらすことを確認して優先順位を決定した。

検討する際は,集まったメンバーが理解しやすいように手書きの図や写真等を用いて議論したことにより,自部門で気付かない点が発見されるなどお互いに知見が得られたのではと思う。

活動を通して,ネイガー目標に対しては3.23%となり,秋田工場としての省エネ目標も達成された。

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