紙パ技協誌
Online ISSN : 1881-1000
Print ISSN : 0022-815X
ISSN-L : 0022-815X
デジタル型欠陥検出器の導入経験
高橋 俊之
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 55 巻 3 号 p. 334-338,018

詳細
抄録

日本製紙岩国工場3号マシンおよび5号マシンの欠陥検出器に, 従来のアナログ型に替えて, 東芝エンジニアリング製のデジタル型欠陥検出器を, 紙パルプ業界では初めて導入した。
今回導入したシステムは, カメラ側にて256階調にA/D変換された濃度信号について, MMPボードと呼ばれる処理ボードにて, デジタル処理による欠陥判定を行っている。MMPボードでは, 2値化明・暗, ミクロ, ムラ (薄汚れ), スジ状 (ストリーク) の7種の欠陥判定を並列パイプライン処理している。特に, 大・中・小の3種類のムラフィルタは薄汚れ欠陥検出に有効であり, 検出能力アップが期待される。
また, マーキング装置には, 従来のフェルトタッチ方式に替えて, 非接触スプレー方式が採用されており, 汚れの問題が有るものの, 省スペース化および多色マーキングを実現している。
一方では, 立上げ当初, エッジ検出や欠陥判定ロジックの点で製紙特有の仕様との食い違いが見られるなど, 運用上の問題点も発生していた。しかし, それらについてもほぼ解決済みであり, 画面の操作性・カメラ自体の性能を含めた検出能力・欠陥画像の鮮明度が他メーカーと同等またはそれ以上であることから, 今回のシステム導入効果は大きいと考える。本稿では, システムの概要および導入後の問題点について報告する。

著者関連情報
© 紙パルプ技術協会
前の記事 次の記事
feedback
Top