紙パ技協誌
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コニカル原理を活用した新しいリファイナーとディスパーザー
ダブルコニファイナーとコニディスク
青嶋 和男
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キーワード: L4叩解, X7電気
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2003 年 57 巻 6 号 p. 799-810,020

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抄録

いま, 日本の製紙業界では地球環境保護の国際的な協調を目指し, その対策の一環として2010年までに更なるエネルギー10%の低減に取り組んでいる。弊社では, 製紙工程の中で最も大きなエネルギを消費する工程の一つであるリファイニング工程の省エネの可能性を検討し, 今回新たにADC “ダープルコニファイナー” の開発に着手し, その第一号機が完成した。このダブルコニファイナーはかつてのコニカル型リファイナーの欠点である刃間隙が広い (溝幅が大きい) ために広葉樹パルプのように短繊維には不向きであったという問題点を解消し, 同時に現在広く使われているダプルデイスクリファイナーの持つ操作性, 保守管理が容易であるという利点を継承して, 両者の利点を取り入れて設計した最新型のリファイナーである。
方, コニデイスクは古紙一リサイクリングの課題であるオフィス系古紙の利用や粘着物対策の促進と紙力の改善をねらって開発をすすめた新しい高濃度リファイナー (デイスパーザー) である。このリファイナー (デイスパーザー) はコニカル刃物の特長とディスク刃物の特長の両方を併せ持つ新しい装置である。本稿ではコニカル原理を活用した新しいリファイナーとデイスパーザーを紹介する。

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