紙パ技協誌
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2ドラムワインダー技術の改良
トリリング ピーター
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2003 年 57 巻 6 号 p. 857-861,023

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抄録

2ドラムワインダーの高密度の紙への適用拡大し, この機種の利点である作業性の良さを保持しながら本来シングルドラムワインダーを使用するべき高密度コート紙等に適用する。イニシアルコストもシングルドラムと比較し大幅に低い。従来のスティール製リワインドドラムで何故コート紙等, 高密度の紙が大径にワインディングできないのかの大きな理由は巻取ロールの自重によるドラム上との高ニップである。巻取径の小さなロールであれば, 2ドラムワインダーでも高密度のコート紙等もワインディング可能であるが, 巻太りに従い自重が増加し高ニップ圧が発生しこれにより高い硬度となり巻取ロールレイヤーのスリップ, コアーバースト等多くの不良品ロールの発生につながる。
巻太りに従いロール自重の増加はさけられない現象であるが, 何とか高ニップ圧にならないような工夫はできないかと考え開発したのがJAGFLEXカバーであり, Multi-Driveカバーである。リワインドドラムにこの材質を巻くことによりニップ圧は軽減し, 高密度の紙を大径に巻けるようにした。
ヨーロッパにおいては一般コート紙, アート紙用に幅広くこのカバーをつけたワインダー, “バリフレックスワインダー” が使用されているニップ圧コントロールに関連してライダーロールにも特殊カバ (ポリウレタン) を付けている。
ニップ圧を下げることは巻取ロールとドラムの接触面積を増加し単位面積当りの圧力を軽減することである。また, マルチドライプカバーを巻くことによりエヤー巻込みを少なくし巻取ロールのディッシング等を防ぐことを考えている。ニップ圧を軽減することにより, マシンの振動発生を最小限とし巻取ロールの端面ずれ等を少なくする。このように特殊カバーにより巻取ロールの大幅な品質向上, 歩留向上につながるものと考える。

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