紙パ技協誌
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容量式電磁流量計による種口流量の測定
効果としての操業性・制御性改善
岡田 高志西村 淳田邊 誠司
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2003 年 57 巻 6 号 p. 862-869,024

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抄録

紙の生産量の決定は, 種口の流量によって決められる。通常, 種口流量は電磁流量計によって測定され, 操業条件に振られない安定した出力を得ることは極めて重要なことである。本稿は, 紙パルプ某社工場と弊社の協力のもとに現場検証やフィールドテストによって種口流量測定における不安定要因の解析を実施し, 電極が流体に接しない容量式電磁流量計をもちいた場合の優位性の実証結果を報告する。不安定要因は, 解析によって気泡混入/導電率不均一/電極絶縁物付着という通常の電磁流量計にとって厳しい条件とされる, 3つが特定されたことで, 今迄あいまいにされてきた問題点が明確となった。これらの要素が何故, 容量式電磁流量計を用いることで解決されるのかを考察し, 容量式電磁流量計と従来電磁流量計との直列運転によってその効果が確認できた。
操作性や, 制御性の改善効果として, 上記工場殿において容量式電磁流量計に変更後のマシン運転中の出力指示落ちは皆無に等しく, 紙切れの減少, 抄替時間の短縮, などの効果が確認されている。また, 定修後の配管内が空状態からの立ち上げでも早期に指示安定性を確保できることも確認された。

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