組織培養研究
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高重力による培養細胞の増殖促進と遺伝子
粂井 康宏
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1992 年 11 巻 1 号 p. 77-81

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抄録
単層培養HeLa細胞を高重力に暴露し、細胞周期、イノシトールリン脂質代謝、増殖関連癌原遺伝子発現などの点より、細胞増殖に及ぼす高重力の影響を検討した。HeLa細胞をプレートに播き、37℃ 、遠心器内で18、35、70gのいずれかの一定条件下で培養した。35g負荷4日目の細胞数は対照群の1.5倍になったが、細胞形態の顕著な変化は認められなかった。35g群では対照群に比し、G1期長さが26%短縮し、細胞世代時間も17%短縮したが、S、G2、M期の長さは変化しなかった。35g暴露2および5分後にイノシトール1,4,5-三リン酸産生量が各々1.5および2.1倍に上昇した。ノーザンプロットの結果、18、35、70gいずれも暴露15~360分間で対照群に比し、c-myc発現の増強が認められ、35g、2時間暴露時が最も強く認められた。
適当な高重力刺激によりHeLa細胞増殖が促進され、G1期進行、イノシトールリン脂質代謝、c-myc発現などの関与が示唆された。
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© 日本組織培養学会
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