Journal of Traditional Medicines
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Preventive effects of Daisaikoto on metabolic disorders in spontaneous obese type II diabetes mice
Mitsuo TSUNAKAWATsutomu SHIMADAWataru SUZUKIMitsunobu NAGATAShuichi TAKEDAAsako MIZUNOMitsutaka KOSUGIMasaki ABURADA
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2006 年 23 巻 6 号 p. 216-223

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抄録
メタボリックシンドローム(MS)は,生活習慣病の基礎病態として特に注目されている症候群の一つである。近年,肥満人口は増加の一途をたどっているが,内臓脂肪の蓄積はMSの病態基盤として最も重要な危険因子であることが報告されている。本研究においては,MS類似病態を発症する肥満性2型糖尿病モデル動物であるTSODマウスを用い,諸代謝性疾病に対する漢方薬大柴胡湯の効果を検討した。肥満が未発症の4週齢TSODマウスおよび代謝性疾病を発症しないTSNOマウスに大柴胡湯を1%および3%混和させた粉末飼料を2ヶ月間自由摂取させた。その結果,普通食摂餌TSODマウスは,試験開始後より普通食摂餌TSNOマウスに比べ著しい肥満および内臓脂肪の蓄積,血糖値,インスリン値,T-Cho値,TG値およびLDL値の上昇,耐糖能異常などを発症し,さらに高血圧および末梢神経障害が認められた。TSODマウスにおいて,大柴胡湯は投与後期より体重増加や内臓脂肪の蓄積等に対して低下作用を与え,さらに,耐糖能異常,血圧の上昇や末梢神経障害を有意に抑制した。以上より,MS諸症状に対する大柴胡湯の有用性が示唆された。
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© 2006 Medical and Pharmaceutical Society for WAKAN-YAKU
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