Journal of Traditional Medicines
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Maoto, Kampo medicine, suppresses the metastatic potential of highly metastatic osteosarcoma cells
Sumiko HYUGAMasashi HYUGAHayao NAKANISHIHidenori ITOKoji WATANABETetsuro OIKAWAToshihiko HANAWA
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2007 年 24 巻 2 号 p. 51-58

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抄録
私たちはこれまでに, 麻黄湯がマウス骨肉腫由来高転移性 FBJ-LL 細胞の運動能を抑制することを見出し, がん転移抑制効果を有する可能性があることを示唆した (J. Trad. Med., 21(4), 174-181, 2004)。 本研究では, 麻黄湯のがん転移に対する効果を, 自然転移モデルマウスを用いて解析した。 FBJ-LL 細胞はマウスの皮下に移植すると原発腫瘍を生じるとともに肝臓へ自然転移する。 このようなマウスに麻黄湯を自由飲水させると, 原発腫瘍は生じるが肝臓への自然転移が有意に減少した。 さらに, 担癌マウス血清中のサイトカインの発現パターンを調べると, 水投与群は多くの種類のサイトカインを発現していたのに対して, 麻黄湯投与群のサイトカイン発現パターンは正常マウスに近かった。 また, 麻黄湯はがんの転移過程に関与しているマトリクスメタロプロテアーゼの活性化を抑制することがわかった。 一方, 免疫系を賦活化することによって転移を抑制することが報告されている十全大補湯は, FBJ-LL 細胞により形成された原発腫瘍の増殖及び肝臓への自然転移に影響を与えなかった。 これらの結果から, 麻黄湯は十全大補湯と異なり, がんの転移過程に直接作用することにより, 転移を抑制していることが示唆され, 新たながん転移抑制剤の候補となる可能性を秘めていることがわかった。
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© 2007 Medical and Pharmaceutical Society for WAKAN-YAKU
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