Journal of Traditional Medicines
Online ISSN : 1881-3747
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ISSN-L : 1880-1447
24 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
Review
  • -From the viewpoint of allergic disorders-
    Naomi KONDO, Manami KUWABARA
    2007 年24 巻2 号 p. 43-46
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    Allergic diseases such as bronchial asthma and atopic dermatitis develop by a combination of genetic and environmental factors. Recently treatment / management guidelines on bronchial asthma and many other disorders have been published, and they are utilized in clinical practice. However, the clinical features of the patients and the causes of the diseases vary. Therefore, personalized medical care (tailor-made medicine) is necessary for the improvement of QOL.
    We described the current position of Japanese and Chinese medicine in regard to tailor-made medicine from the viewpoint of allergic disorders, including the results of research concerning genome and post-genome factors (pharmacogenomics, pharmacoprotemics and pharmacometabonomics) by the authors.
Incentive Award,2006
  • Toshihiro MIURA
    2007 年24 巻2 号 p. 47-50
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    2 型糖尿病に対するカバノアナタケおよびヤーコンの効果を遺伝的肥満型糖尿病モデル動物である KK-Ay マウスで検討した。 カバノアナタケは投与 6 週間後の血糖値を低下させ, インスリン値をも低下させた。 さらに, インスリン負荷試験の血糖値を低下させた。 これらのことから, カバノアナタケの作用機序としてインスリン抵抗性を改善することによる血糖値の低下と考えられた。 ヤーコンも投与 6週間後の KK-Ay マウスの血糖値およびコレステロール値を低下させた。 ヤーコンはまた KK-Ay マウスの糖負荷後の血糖値の上昇を抑制し, さらに, 小腸からのグルコース吸収を抑制した。 これらのことから, ヤーコンの作用機序として小腸からのグルコースを抑制することによる血糖値の低下と考えられた。
Regular Article
  • Sumiko HYUGA, Masashi HYUGA, Hayao NAKANISHI, Hidenori ITO, Koji WATAN ...
    2007 年24 巻2 号 p. 51-58
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    私たちはこれまでに, 麻黄湯がマウス骨肉腫由来高転移性 FBJ-LL 細胞の運動能を抑制することを見出し, がん転移抑制効果を有する可能性があることを示唆した (J. Trad. Med., 21(4), 174-181, 2004)。 本研究では, 麻黄湯のがん転移に対する効果を, 自然転移モデルマウスを用いて解析した。 FBJ-LL 細胞はマウスの皮下に移植すると原発腫瘍を生じるとともに肝臓へ自然転移する。 このようなマウスに麻黄湯を自由飲水させると, 原発腫瘍は生じるが肝臓への自然転移が有意に減少した。 さらに, 担癌マウス血清中のサイトカインの発現パターンを調べると, 水投与群は多くの種類のサイトカインを発現していたのに対して, 麻黄湯投与群のサイトカイン発現パターンは正常マウスに近かった。 また, 麻黄湯はがんの転移過程に関与しているマトリクスメタロプロテアーゼの活性化を抑制することがわかった。 一方, 免疫系を賦活化することによって転移を抑制することが報告されている十全大補湯は, FBJ-LL 細胞により形成された原発腫瘍の増殖及び肝臓への自然転移に影響を与えなかった。 これらの結果から, 麻黄湯は十全大補湯と異なり, がんの転移過程に直接作用することにより, 転移を抑制していることが示唆され, 新たながん転移抑制剤の候補となる可能性を秘めていることがわかった。
  • Yoshihiro TERASHIMA, Kei HAMAZAKI, Miho ITOMURA, Mingming HUAN, Naotos ...
    2007 年24 巻2 号 p. 59-66
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    これまでに動物実験や高齢者に対する非盲検試験で, 麻黄附子細辛湯のインフルエンザワクチンに対するアジュバント効果が報告されているが, より精度の高い臨床試験で検討されたことはない。 そこで今回, 20~71才の健常者47人を対象として, 麻黄附子細辛湯の血清中抗インフルエンザウイルス抗体価に対する影響について検討した。 被験者を無作為に実薬群 (n=23) とプラセボ群 (n=24) に振り分け, 二重盲検法にて実薬またはプラセボを 2 週間投与したところで, ワクチンを接種した。 その後採血を 0,1,2,4,12 週目に行い, 上記抗体価を測定した。 ワクチン接種後のインフルエンザ抗体価はA型 (H3N2, H1N1), B型ともに実薬群で有意に優れているとは言えなかった。 今後世界中で鳥インフルエンザのヒトへの感染とその流行が予想され, アジュバント効果がある薬剤の重要性が極めて大きくなる。 他のアジュバント効果を持つものの検討が必要である。
  • Naoko ANJIKI, Mutsuko TOGASHI, Michiyo YOSHIMITSU, Nobuo KAWAHARA, Mas ...
    2007 年24 巻2 号 p. 67-71
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    我々は今回, 下痢などに対処する整腸剤として, 古くから用いられている民間薬ゲンノショウコについて, 色彩計を用いた品質評価を行った。 ゲンノショウコが示す止瀉作用はポリフェノールの一種であるタンニン類によるものとみなされている。 本研究では, ゲンノショウコサンプル中の総ポリフェノール含量と, ゲンノショウコの粉末及び塩化鉄 (III) 試液を添加したゲンノショウコ熱水抽出液色の関係について検討を行った。 その結果, 塩化鉄 (III) 試液を添加したゲンノショウコ熱水抽出液色の明度 (L*) が高い試料ほど, 総ポリフェノール含量が低い傾向が見られた。 また, 総ポリフェノール含量が高い葉の部分では明度は低く, 総ポリフェノール含量が低い茎の部分では明度は高かった。 従って, ゲンノショウコ中に含まれるタンニン類の作用を期待する場合, 茎部分の割合が低いものが良品と考えられ, その評価に, 塩化鉄 (III) 試液を添加したゲンノショウコ熱水抽出液色の明度を利用することが可能であることが示唆された。
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