Journal of Traditional Medicines
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Roles of Kampo medicine in treating rheumatic diseases
Shuji OHNO
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2007 年 24 巻 3 号 p. 73-80

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抄録

膠原病に対する漢方薬による治療は近年多くの報告がなされるようになった。 膠原病では副腎皮質ステロイド薬による治療が一般的であり, 本剤投与による漢方医学的病態の変化も把握されてきている。 臨床的有用性の例として, シェーグレン症候群の乾燥症状に対して麦門冬湯, 滋陰降火湯, 六味丸, 八味地黄丸, 温経湯などの漢方薬が唾液分泌を増加させ, 免疫学的異常が改善した報告も存在する。 SLE その他の膠原病に対して種々の漢方薬の治療により寛解が得られた症例報告や柴苓湯が SLE の活動期を短縮させ, ステロイドの投与量を節約させ, さらに肝トランスアミナーゼの上昇などその副反応を軽減させる効果が示されている。 また基礎医学的な検討では, 柴苓湯が T リンパ球分画に影響を与え, より正常な方向への誘導が示唆され, 低下した NK 細胞活性を補中益気湯が上昇させたという結果も報告されている。

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© 2007 Medical and Pharmaceutical Society for WAKAN-YAKU
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