Journal of UOEH
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臨床腫瘍の超音波診断
小林 利次
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1979 年 1 巻 2 号 p. 167-193

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抄録
悪性新生物および各種の良性腫瘍の臨床診断には種々なる検査法が施行されているが, 近年, レ線診断と異なり生体に何らの傷害も及ぼす懸念のない非観血的手段である超音波診断法が脚光をあびている。比較的歴史の新しい本検査法はレ線検査で把握することが困難とされている生体各部の軟部組織病変の描写にその診断情報取得の威力を発揮し得るため癌疾患, 良性腫瘍の診断にその有用性が認められつつある。検査対象として眼科領域腫瘍, 耳鼻科領域腫瘍, 甲状腺腫瘍, 乳腺腫瘍, 腹部腫瘍, 婦人科腫瘍, 前立腺および膀胱腫瘍, 整形外科領域の軟部腫瘍など多岐にわたる。
本検査法は非観血的, 非侵襲的, 且つレ線被爆の危険性もないため癌疾患の補助的診断法として有用である。腫瘍疾患の超音波診断という主題のもとに現行の臨床超音波診断、特に癌疾患の超音波断層像を中心に概説した。
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© 1979 産業医科大学
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