抄録
結核の初感染は皮膚では極めて稀である。皮膚初感染徴候または原発性接種結核は, 結核未感染者の皮膚に外生感染で起こり, 外傷に続発する。接種部位に丘疹・潰瘍を生じ, 所属リンパ節症を伴う。抗結核剤の開発, BCG接種の普及, 生活環境の改善によって, 1950年代以降結核は減少の一途を辿っている。皮膚結核においても, 結核疹は多少趣きを異にするが, 真性皮膚結核はこの傾向を忠実に反映している。しかし決して撲滅されたわけではない。最近われわれは2歳10カ月の女児の本症患者を経験したので報告する。