Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
フェニトロチオン粉剤の反復吸入暴露実験によるコリンエステラーゼ活性の変化
石松 維世伊規須 英輝田中 勇武井上 尚英秋山 高
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 10 巻 1 号 p. 71-75

詳細
抄録
有機リン系の農薬であるフェニトロチオン(スミチオン®)について, 暴露濃度を2段階変化させて最大3ヵ月間ラットに反復吸入暴露し, 血漿および赤血球膜コリンエステラーゼ(ChE)活性の低下と暴露後の回復に及ぼす影響を調べた. ChE活性はフェニトロチオンの暴露濃度と暴露期間とにほぼ応じて低下したが, 暴露途中でChE活性抑制が緩やかになる傾向も見られた. さらに, 血漿ChE活性よりも赤血球膜ChE活性に著しい低下が見られ, その回復も遅いことが認められた. このため, 生体へのフェニトロチオン粉剤の反復暴露の指標には血漿よりも赤血球膜ChE活性の測定が有用であると考えられた.
著者関連情報
© 1988 産業医科大学
前の記事 次の記事
feedback
Top