抄録
有機溶剤を取り扱う作業環境中では, 活性炭チューブや防毒マスク吸収缶など, 活性炭を使用した吸着装置が多く使用されている. これらの装置は, 蒸気が破過すると使用できなくなるが, 作業現場において使用中に破過を検出あるいは予測することは不可能である. そこで活性炭層の下流側に溶剤と反応して着色する検知剤を充填し, 色の変化から破過の検出が可能な装置を試作し, その特性を調べた. その結果, 湿度がゼロの場合には破過を検出する以前に着色が見られ, 破過の予測が可能であることが示された. しかし, 水蒸気が存在すると着色は鈍くなり, 安定した呈色を得るには至らなかった.