Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
プリン, ピリミジン代謝の研究 (2)
―血中, 尿中のオキシプリン濃度に対する検体処理と食事の影響―
広重 欣也高杉 昌幸由宇 宏貴黒岩 昭夫
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 16 巻 2 号 p. 167-178

詳細
抄録

HPLC-UV法にて血中, 尿中のシュウドウリジン, ウリジン, ヒポキサンチン, キサンチンと尿酸の定量を行った. 検体の処理に関しては, ヘパリン採血後5分間全血で放置しておくと, 採血後即血漿分離したものより, 血漿中ヒポキサンチン濃度は約15%増加し, キサンチン濃度は約35%増加した. また, 血清では血漿においてよりも有意にオキシプリン濃度は高値を示した. 以上により正確な血漿オキシプリン濃度の測定には, 抗凝固剤を用いた採血で即血漿分離が必要と考えられた. 6名の健常人に普通食, 低プリン食でこれら5物質の濃度がどのように影響されるかについても検討した. 普通食での各血漿中濃度は, シュウドウリジン;2.52 ± 0.19 μmol/ℓ, ウリジン;4.94 ± 1.24, ヒポキサンチン;0.82 ± 0.30, キサンチン;0.49 ± 0.12, 尿酸;290.1 ± 88.8であった. 低プリン食では, 血漿オキシプリン濃度は低下し, さらに尿酸, オキシプリンの排泄も低下した. 低プリン食での血漿ヒポキサンチン濃度は, 0.48 ± 0.26 μmol/ℓで, キサンチンは0.36 ± 0.17であった. 血中, 尿中のプリン, ピリミジン代謝産物の濃度測定には食事の影響も充分に考慮する必要があると考えられた.

著者関連情報
© 1994 産業医科大学
前の記事 次の記事
feedback
Top