Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
車いす駆動時の上肢運動頻度
田島 文博緒方 甫Kyu-Ha Lee大川 裕行Christine M.Piciulo
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 16 巻 3 号 p. 219-226

詳細
抄録
身障者の社会復帰と雇用促進が進むなか, 車いす利用者の活動性を簡便に評価するために, 車いす駆動回数を測定する必要性が増している. 我々は最初に, 加速度計を5名の健常者を対象として, 左上腕外側部に取り付け, 上肢の駆動状況を把握する目的で実験を行った. 実験室に設置された車いす上で, 4分間ずつ安静, 60, 90, 120回/分の頻度で駆動を行い, 携帯式記録計に加速度を記録した. 駆動数に比例して上腕加速度の上昇を認め, その関係は有意(P<0.05)であった. 次に, 同じ装置を脊損者に取り付け, 80 mのコースを往復走行させた. その結果, 駆動休止も明らかに判別された. 以上より駆動頻度は上腕に取り付けた加速度計の加速度より測定可能であることが判明した. この概念と方法はこれまで困難とされてきた車いす利用車の日常生活や車いすマラソン時の駆動回数, ひいては活動度の測定を可能にする.
著者関連情報
© 1994 産業医科大学
前の記事 次の記事
feedback
Top