Journal of UOEH
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赤血球膜アセチルコリンエステラーゼ
伊規須 英輝松村 浩彦松岡 雅人
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1994 年 16 巻 3 号 p. 253-262

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抄録
神経系外の代表的アセチルコリンエステラーゼ(AchE)として赤血球のそれがある. その活性は, 特にヒト赤血球で高い。本酵素が, 赤血球では膜のみに, しかもその外面に存在することは以前からよく知られている. また, 近年, 一次構造, 膜内構造との関係等が, 相当明らかにされてきた. しかし生理的機能については, 不明のままである. ただ, 神経系のAchEのモデルとして, また, 赤血球膜の状態を反映し得る酵素として有用と考えられる. 農薬などAchE阻害剤の効果, 特にそれによる中毒の指標としての有用性は実用的にも高いが, 常にAchE阻害剤の生体内侵入の指標となり得るわけでないことには留意すべきである.
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© 1994 産業医科大学
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