Journal of UOEH
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我が子の障害受容過程に影響をおよぼす要因の検討 ― 文献的考察 ―
阿南 あゆみ山口 雅子
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2007 年 29 巻 2 号 p. 183-195

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抄録
我が子の障害を受容する過程には, 子供の障害の内容や親の要因, さらに社会的要因など様々な因子が複雑に絡み合い, その受容過程は決して単純なものではない. 障害受容に関連する様々な要因の中で, 子供の障害の種類と程度は親の受容過程にもっとも大きな影響をおよぼすと考えられるが, 先行研究では様々な疾患を「障害」という一つの枠組みに捉えたものが多い. また子供と親が今後障害と共に生きて行く言わば出発点となる障害告知は, 障害の種類により時期や内容が異なり, 我が子の障害受容過程に多大な影響をおよぼすと考えられる. さらに母親と父親の受容過程は異なると考えられるが, 先行研究の多くは「母親」を対象としており, 「父親」を対象としたものが少ない. 今後の研究課題として障害の種類と程度を勘案した詳細な分析や告知の在り方に関する研究の集積が必要である. また母親だけではなく父親の受容過程やその家族・社会に関する研究を行う必要がある.
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© 2007 産業医科大学
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