抄録
北部九州・中国地方で勤務する精神科病棟看護師を対象にストレスとストレス対処行動, 職務満足度の関係を調査した. その結果, 職務満足度の高い人はストレス対処能力が高い傾向にあり, 職務満足度の低い人は日常のストレスが高く, 個人特性である性格との関連も見られた. ストレス対処要因と職務満足度の関連では, 趣味・娯楽などの気分転換行動のできる人やストレスへの耐性に強い人, ソーシャルサポートのある人は職務満足度が高い傾向を示した. 特に職業的地位に対する満足度の高い人はストレス対処要因に高い傾向を示した. 反対に, 日常の煩わしい出来事に対するストレッサーの強い人は職務満足度に低い傾向を示した. また, 怒りっぽく, 神経質でType A行動パターンをとる傾向にある人は職務満足度に低い傾向を示した. これらのことから, 職務満足度にはストレッサーや対処行動だけでなく, 性格傾向も関連することが示唆された.