抄録
過去約12年間(1996年〜2007年9月現在)に発表されたがん患者の家族に関する看護研究の動向を明らかにし, がん患者の家族を対象とした看護研究の課題を検討することを目的とした. その結果, 研究内容に関して「在宅におけるがん看護」「一般病棟における終末期看護」「終末期・死別後の家族の体験」「治療過程における家族の体験および看護」「家族システム」の5つのコアカテゴリーが抽出された. がん患者の家族に関する看護研究の課題として, 多様な治療・療養環境での看護研究の実践, がん患者の家族に対する看護師の認識および看護師の持つ個人要因が看護援肋におよぼす影響に関する研究, 研究結果の一般化に向けた実践・介入研究, 家族看護学の視点を踏まえた研究活動を遂行することの重要性が示唆された.