2008 年 30 巻 2 号 p. 185-196
訪問看護師の仕事負担感や就業継続意思と訪問看護の業務特性を明らかにした. 対象は福岡県内の訪問看護ステーションに勤務する看護師で, 自記式質問紙調査を実施した. その結果, 下記の事柄が明らかになった. 「就職前に考えていた仕事内容と実際との相違」「訪問以外の仕事の多さ」「判断を必要とする場面の多さ」「複雑な看護技術の多さ」を感じている人ほど仕事の負担感を大きいと考え, 「ステーションの将来性」「看護師の人数」「賃金」について肯定感を持つ人ほど仕事の継続意思を持っていること. また, 訪問看護師の就業意欲向上のために, 管理者が労務管理の意識を高めることやリアリティショックへの対策として体系的・系統的継続教育の実現を図る環境を整えることも継続意思を持つことの一助となることが示唆された.