Journal of UOEH
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産業医科大学病院小児科肥満外来における肥満症とメタボリックシンドロームの頻度と関連
荒木 俊介土橋 一重久保 和泰川越 倫子山本 幸代河田 泰定朝山 光太郎白幡 聡
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2008 年 30 巻 3 号 p. 309-319

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抄録

2002年に「小児肥満症」, 2007年には「小児メタボリックシンドローム(MS)」の診断基準が発表された. 今回, 小児科肥満外来受診児の97名(男児58名:平均年齢10.4歳, 女児39名:平均年齢10.0歳)を肥満症とMSの観点から解析した. 全員が肥満度+20%以上の肥満であり, 肥満症と診断されたのは男児53名, 女児32名, 計85名(87.6%)であった. MSと診断されたのは男児12名, 女児4名, 計16名(対象の16.5%, 肥満症児の18.8%)であった. 肥満症診断スコァ(6点以上が肥満症)は腹囲や腹部CTによる内臓脂肪面積との相関が高く, MS児のスコア(平均30.2点)は非MS児のスコア(平均12.3点)より有意に高値であった. 受診肥満児の約9割が治療の必要な肥満症児であり, 外来の意義が明らかにできた. 小児MSの頻度は成人より低いが肥満症の重症型とも言え, より積極的な介入が必要である.

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© 2008 産業医科大学
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