Journal of UOEH
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看護学生の放射線に関する知識と不安度調査
欅田 尚樹
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キーワード: 放射線, 不安, 知識, アンケート
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2008 年 30 巻 4 号 p. 421-429

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抄録

医療分野においては, 放射線診断・治療, 核医学と種々の方面において放射線の利用は無くてはならないものである. 一方で, 患者をはじめとする一般の人々および診療に従事する看護師などにおいて, 放射線に対する誤解から必要以上の不安を抱えていることが多く見受けられる. 本研究では, 看護学生において放射線に関する一般的知識の獲得度と不安の大きさについてアンケート調査を実施した. 対象は4年制看護学生の2年生に対して平成17〜19年の3年間実施した. 方法は, 線尺度で放射線に対する不安の大きさを記入するとともに, 放射線に関する基本的な質問12項目について尋ねた. 不安度の大きさにより4分位で分類し, 下4分の1を不安が「少ない」, 上4分の1を「高い」, 残りを「多少あり」と分類した. その結果, 放射線に関する知識が乏しい人ほど不安が高い結果が得られた. また放射線に関する一連の講義後では不安度の低下, 知識の習得が図られたが, 講義終了時点においてもやはり不安度の高い人の方が放射線に関する知識が乏しい傾向が再現された, 医療における看護師の放射線に関する不安を解消するために放射線教育の必要性が示された.

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© 2008 産業医科大学
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