Journal of UOEH
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30 巻 , 4 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 岡井(東) 紀代香, 石田 絵美, 中村 裕美子, 藤原 みさと, 岡井 康二
    原稿種別: 原著
    2008 年 30 巻 4 号 p. 375-389
    発行日: 2008/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    日本産伝統雑穀類五種(黒米・赤米・高きび・あわ・ひえ)についてその冷水・メタノール抽出液の抗酸化・ラジカル消去活性の分析を行った. その結果ジフェニル・ピクリル(DPPH)ラジカル消去活性については, 高きび・黒米・赤米が比較的強いラジカル消去活性を示し, あわ・ひえが弱い活性を示したが, 特に高きびのメタノール抽出液がもっとも高い消去活性を示した. またそれらのラジカル消去活性は抽出液中のフラボノイドやフェノール酸の濃度に比例したが, 抽出液中のタンパク質や糖類の濃度と消去活性の相関性は認められなかった. 一方, リノール酸由来の過酸化脂質の生成に対してすべてに雑穀の抽出液が比較的強い活性を示したが, 冷水抽出液の方がメタノール抽出液より強い活性を示した. これらの活性と抽出液中のパーオキシダーゼ活性との相関関係は認められなかった. 以上の実験結果から日本産伝統雑穀類には, 質的に異なる抗酸化・ラジカル消去活性が存在することが示唆された.
  • 魚住 武則, 武智 詩子, 吉永 光一郎, 辻 貞俊
    原稿種別: 原著
    2008 年 30 巻 4 号 p. 391-401
    発行日: 2008/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    皮質性ミオクローヌス患者12例を対象とし, C反射発生後の運動野興奮性変化を電気生理学的に検討した. 随意収縮時にC反射を記録するとそのパターンから以下の3群に分けられる。Type Ⅰ:C反射が同じ間隔で2回繰り返し生じるもの, Type Ⅱ:C反射に後期成分を伴うもの, Type Ⅲ:C反射が発生した後に強い抑制を伴うもの. Jerk-locked MEPで検討するとType ⅠとType Ⅱでは発生機序が異なることが示唆された. 皮質内伝導時間や末梢神経刺激によるMEPに対する促進効果からみるとC反射発生後の変化は運動野の興奮性変化を反映していると考えられた.
  • 甲斐 明子, 橋本 学, 岡崎 哲也, 蜂須賀 研二
    原稿種別: 原著
    2008 年 30 巻 4 号 p. 403-411
    発行日: 2008/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    高次脳機能障害者に神経心理学的検査を実施し, 雇用に関与する障害の特徴を検討した. 2002年2月〜2007年6月に社会復帰を目的に当院に入院した高次脳機能障害患者92名(平均年齢36.3歳, 範囲:16〜63歳, 受傷後期間35.6ヶ月)を対象とし, the Wechsler Intelligence Scale-Revised (WAIS-R), Wechsler Memory Scale-Revised (WMS-R), the Rivermead Behavioral Memory Test (RBMT), Frontal Assessment Battery (FAB) and Behavioral Assessment of Dysexecutive Syndrome (BADS)を実施した. 退院後の帰結により一般雇用, 保護雇用, 非雇用に分け, 3群間を比較した. WAISの下位検査項目は手引きの有意差基準をもとに相互比較をした. 一般雇用群は非雇用群に比べてWAIS-RのPerformance Intelligence Quotient (IQ), Full sale IQ, WMS-Rの言語性記憶, 視覚性記憶, 一般的記憶, 遅延再生, RBMTが有意に高得点であった. 保護雇用群は遅延再生が非雇用群よりも有意に高得点であった. FABとBADSには3群間で相違はなかった. WAIS-Rの下位検査項目では符号が低得点であった. 高次脳機能障害者の職場復帰の観点からは, IQと記憶が重要な要因である.
  • 松本 大樹, 浦崎 永一郎, 副島 慶輝, 中野 良昭, 横田 晃, 西澤 茂
    原稿種別: 症例報告
    2008 年 30 巻 4 号 p. 413-420
    発行日: 2008/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    頚髄を原発巣とする膠芽腫は非常にまれな疾患であり, 脊髄腫瘍に占める割合は約1.5%とされ, その臨床的特徴は大脳に発生する膠芽腫と比較し, 急速進行性, 予後不良であり, 平均生存期間は12ヶ月と報告され, 髄腔内播種や水頭症を容易に合併することが知られている. そのため過去の報告では手術に加えて全脊髄照射による放射線治療が主体となっていた. 今回われわれは, 21歳男性の頚髄膠芽腫に対し, 手術, 放射線治療, 化学療法による積極的な集学的治療を施行し, 発症から26ヶ月間の長期生存が得られた症例を経験したが, その主たる要因は初回部分照射と再発時の追加照射による局所コントロールにより髄腔内播種の発生を遅延させたことであると考えられた.
  • 欅田 尚樹
    原稿種別: 原著
    2008 年 30 巻 4 号 p. 421-429
    発行日: 2008/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    医療分野においては, 放射線診断・治療, 核医学と種々の方面において放射線の利用は無くてはならないものである. 一方で, 患者をはじめとする一般の人々および診療に従事する看護師などにおいて, 放射線に対する誤解から必要以上の不安を抱えていることが多く見受けられる. 本研究では, 看護学生において放射線に関する一般的知識の獲得度と不安の大きさについてアンケート調査を実施した. 対象は4年制看護学生の2年生に対して平成17〜19年の3年間実施した. 方法は, 線尺度で放射線に対する不安の大きさを記入するとともに, 放射線に関する基本的な質問12項目について尋ねた. 不安度の大きさにより4分位で分類し, 下4分の1を不安が「少ない」, 上4分の1を「高い」, 残りを「多少あり」と分類した. その結果, 放射線に関する知識が乏しい人ほど不安が高い結果が得られた. また放射線に関する一連の講義後では不安度の低下, 知識の習得が図られたが, 講義終了時点においてもやはり不安度の高い人の方が放射線に関する知識が乏しい傾向が再現された, 医療における看護師の放射線に関する不安を解消するために放射線教育の必要性が示された.
  • 尾辻 豊
    原稿種別: 総説
    2008 年 30 巻 4 号 p. 431-442
    発行日: 2008/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    低血圧・ショックは, 左室駆出量が減少した場合と保たれた場合に分類される. 左室や大動脈弁および僧帽弁の機能異常によって左室駆出量が減少し, 心筋症, 左主幹部病変, 急性心筋炎, 急性および亜急性の大動脈弁逆流などが原因疾患となる. 心エコー検査により原因も含めた診断が可能である. 左室前負荷が足りないためのショックは, タンポナーデや右室駆出量の減少(肺塞栓症, 三尖弁逆流, 右室梗塞, 緊張性気胸, hypovolemiaなど)により出現し, 左室腔は小さく, 壁運動は保たれている. 左室駆出量が正常なのに低血圧ショックとなることもあり, 敗血症・アナフィラキシー・神経調節性疾患が含まれる. 偽低血圧は, 大動脈解離・高安動脈炎・閉塞性動脈硬化症・大動脈縮窄症などにより出現し, 心エコー検査で診断可能である. このように基本的な心エコー検査により低血圧・ショックの迅速な診断が可能である.
  • 中尾 智, 川瀬 洋平, 新見 亮輔, 山下 真紀子, 三觜 明, 福田 華名子, 川波 祥子, 廣 尚典, 堀江 正知
    原稿種別: 調査報告
    2008 年 30 巻 4 号 p. 443-454
    発行日: 2008/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    本研究では, 長時間労働者に対する医師の面接指導を含めた過重労働対策の体制を効果的に構築するためのツールとして開発された「過重労働者の健康リスクマネジメントのためのアクションチェックリスト」(以下, ACL)を用いて, 過重労働対策をテーマとしたセミナーでの試用(以下, セミナー調査)および小規模事業場を中心とした40社を対象に介入研究(以下, 介入調査)を行い, その有用性の評価を試みた. 介入調査では, 回収率が不十分だったこと, 法令の適用前であったこと, 介入期間が短かった可能性があったことなどの要因により, 介入効果は得られなかった. 一方で, セミナー調査では, 約8割の参加者からACLの使用方法が理解でき, 事業場に戻ってからも利用できそうであるとした評価を得た. また, 過重労働対策で遭遇し得る仮想の事例に対しても, ACLの利用によって解決方法が検討しやすくなる可能性が示唆された.
  • 浦本 秀隆
    原稿種別: 報告
    2008 年 30 巻 4 号 p. 455-460
    発行日: 2008/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    近年Evidence based medicineの実践が社会からより求められる. その対策の一つとしてインターネットがあげられる, 本研究ではインターネットを利用した健康相談の有効性について前向きにアンケート調査を実施した. インターネット群, 非インターネット群において質問3. 実施した健康相談が健康管理をするうえでどのくらい役立ちますか. 4. 今後, 同様のような健康相談を希望しますか. に対する回答間に統計学的有意差を認めなかった. 現時点では産業保健の現場にて積極的にインターネットを利用した健康相談が従業員の立場から有効であるとは言いがたい.
  • 大津 真弓, 宮本 比呂志, 吉岡 鈴香, 梶木 繁之, 石松 維世, 小川 みどり, 森 晃爾, 谷口 初美
    原稿種別: 技報
    2008 年 30 巻 4 号 p. 461-470
    発行日: 2008/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    事業所における生物因子のリスクアセスメントツールの作成を試みた. このツールは, 発生前の一次予防に資するためのツールであり, その結果に基づいて各作業場の実情にあった方法で未然にリスク低減を図る事を目的とした. 評価する作業場は特定業務以外の作業場とする. リスク要因は, 病原体をヒトからヒトへの感染の有無で大別し, ヒトの要因, 感染源・感染経路に影響をおよぼす要因を点数化して評価する。ヒトからヒトへの感染がある病原体については, 50歳以上の従業員の割合, CO2濃度と気積, 共有施設と共同作業の組み合わせを点数化し, その合計点数で評価する. ヒトからヒトへの感染がない病原体の場合は50歳以上の従業員の割合, 気流と気積, エアロゾル発生装置の有無を点数化し, 合計点数で評価する. いずれも合計点数が7点以上はグループAとして, 感染対策委員会の運営, 従業員教育, 作業管理, 作業環境管理の対策を日常的に取ることを強く推奨する. 5, 6点はグループBとして, 感染対策委員会の運営, 従業員教育の対策を日常的に取ることを推奨する. 4点以下は感染対策委員会の適切な運営を行い, 問題発生時に対策を取ることとする.
  • 2008 年 30 巻 4 号 p. 471-480
    発行日: 2008/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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