Journal of UOEH
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低濃度酸化コバルト曝露指標としての尿中コバルト濃度の有用性
藤尾 智紀城山 康安井 史郎道辻 広美實森 千香子石原 敬康本迫 郷宏植村 理坂本 史彦宮上 浩史上田 陽一福田 昌宏山田 誠二
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2009 年 31 巻 3 号 p. 243-257

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抄録
酸化コバルトの経時的変化の検討と, 曝露濃度と尿中コバルト濃度の相関関係を検討する目的で, 調査1として男性16名を対象に1クール間の勤務日作業前後と次クールの初日作業前と最終日作業後の尿中コバルト濃度を測定した. また調査2として別の男性16名を対象に曝露濃度と作業後の尿中コバルト濃度を測定した. 調査は5日間勤務の第1, 3, 5日目に行い保護具着用のない場合のみを検討した結果, 調査1での尿中コバルト濃度は作業前に比べ作業後は増加したが, 翌日には前値に復した. 調査2の22回分のデータがプロットでき, 曝露濃度が30μg/m³以下(n=20)ではr=0.76であったことから尿中コバルト濃度は過去の曝露に大きな影響を受けないことと曝露濃度と尿中コバルト濃度の間に強い相関関係があることから, 少なくとも低濃度下では当日の曝露指標として作業後の尿中コバルト濃度は有用であると考えられる.
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© 2009 産業医科大学
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