Journal of UOEH
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ヤシ殻活性炭を用いた固体捕集法におけるケトンの保存安定性の経時変化
坂本 敬行樋上 光雄吉川 正博
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2011 年 33 巻 2 号 p. 147-156

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抄録

我が国で使用されている4種類のヤシ殻活性炭を用いて, アセトン, メチルエチルケトン, メチルブチルケトン, メチルイソブチルケトン, シクロヘキサノンおよび2-メチルシクロヘキサノンの回収率の経時変化(保存安定性)を調べた. その結果, エノールの存在比が高いシクロヘキサノンおよびメチルエチルケトンにおいて, 回収率の経時的低下が顕著であった. さらに, ケトンの回収率低下に水が影響することが確かめられた. このケトーエノール互変異や水和反応は酸や塩基によって触媒されることから, 4種類の活性炭懸濁液のpHや強熱残分含有率と回収率の関係を調べた. その結果, 活性炭懸濁液の酸性度, もしくは塩基性度が強いほど, 回収率の低下が認められた. 一方, 活性炭の強熱残分含有率と回収率低下との間には, 4種ケトンにおいて相関は認められなかった.

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© 2011 産業医科大学
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