Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
ストレッチングの効果に関する最新の動向 -職場体操として応用するための留意点-
江口 泰正太田 雅規大和 浩
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 33 巻 3 号 p. 247-253

詳細
抄録

現在, 職場における健康保持増進の取り組みとしてもっとも多い内容は, 「労働者健康状況調査結果の概況」(厚生労働省2008)によると「健康相談」であるが, 2番目に多いのは「職場体操」である. 一人でも, あるいは集団でも手軽にできる「体操」は労働者に受け入れられやすく, また継続もしやすいことから, ストレッチングは職場体操としても様々な形で実施されている. しかし, 近年その効果に関して否定的な文献も多くなってきた. そこで, 総説論文を中心に調査したところ, 静的ストレッチング(static stretching)直後における筋パワー系運動(muscle strength/force and isokinetic power)のパフォーマンスはむしろ低下, 運動後の筋肉痛の予防にはならないことも明らかにされている. 「職場体操」の目的は様々であるが, ストレッチングを職場体操として選択する場合には, その目的に応じたやり方を考慮する必要がある.

著者関連情報
© 2011 産業医科大学
前の記事 次の記事
feedback
Top