Journal of UOEH
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チェックリストを用いた自己練習による耳栓の遮音値の改善
高橋 公子川波 祥子井上 仁郎堀江 正知
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2011 年 33 巻 4 号 p. 271-282

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抄録
耳栓は騒音職場でもっとも頻用されている防音保護具であるが, 耳栓の遮音性には, 着用の習熟度や知識が影響を与える. 本研究の目的は, 個別教育とチェックリストを用いた自己練習が遮音値の改善に有効かを明らかにすることである. 方法は, 男女計10名にSEMI-INSERT型耳栓(E-A-R flex 350-1001)を渡し, 添付の説明書だけで着用させ, JIS T8161-1983に従って, 125〜8000Hzにおける遮音値を測定した. 介入方法は, 5分の口頭と文書による個別教育後, 1回10分, 7日間のチェックリストを用いた自己練習をさせるものである. その後, 遮音値を再測定した. その結果, 遮音値は教育後7.7〜11.7dBと全周波数で有意に改善し, 介入の効果が確かめられた. 本法は, 労働者に適用しうる簡便かつ有効な耳栓着用に関する教育方法である.
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© 2011 産業医科大学
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