Journal of UOEH
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[総説]
遺伝子改変技術を用いたオキシトシンニューロンの蛍光タンパクによる可視化の試み
加藤 明子上田 陽一鈴木 秀明
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2013 年 35 巻 2 号 p. 165-171

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抄録
下垂体後葉ホルモンの一つであるオキシトシンは,視床下部室傍核および視索上核に局在する大細胞性神経分泌ニューロンの細胞体で産生され,下垂体後葉に投射した軸索終末から血中に分泌される.血中オキシトシンは,分娩時の子宮筋収縮や授乳時の射乳反射に関与することはよく知られている.最近,オキシトシン受容体が脳内にも豊富に存在し,親子の絆,信頼感などの高次脳機能に関与することが報告され,注目を集めている.これまで下垂体後葉ホルモンであるオキシトシンもしくはバゾプレッシンを産生するニューロンを生細胞のまま同定する方法はなかった.そこで,私たちはトランスジェニック技術を用いて蛍光タンパクによる可視化を試みた.本論では,遺伝子改変技術を用いたオキシトシンニューロンの蛍光タンパクによる可視化とその応用について概説する.
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© 2013 産業医科大学
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