Journal of UOEH
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[報告]
診断群分類(DPC)データを用いたクリニカルパスの適用状況の評価
酒井 誉村松 圭司松田 晋哉
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2013 年 35 巻 3 号 p. 225-240

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抄録

クリニカルパス(CP)とは,主に入院時に患者に手渡される病気を治す上で必要な治療・検査やケアなどを縦軸に,時間軸(日付)を横軸に取って作成されたタイムスケジュール表である.CPは患者および看護師などの医療スタッフ双方に病気の治療内容とタイムスケジュールが明確になり,検査・手術日程,退院日の目安が分かり,入院生活の不安を解消でき,また検査・ケアを過不足なく確実に提供でき責任の所在が明確になるため,チームとしての医療サービスをスムーズに提供できるメリットがあるが,作成には多くの時間と労力を費やさなければならず,作成後には定期的な評価が必要であるため,漫然と使用され活用されなくなることも散見される.本分析では,診断群分類(DPC)データを用いてCPを定期的に評価する方法を検討するとともに,新規CPの作成に際して診療実施頻度が高い診療明細を抽出した対象疾患のDPCデータを基にCPのひな形を作成する方法について検討を行った.その結果,DPCデータを主に扱う事務スタッフを活用することで医療スタッフの労力の削減が図られ,CPの評価および作成を行うことができ,医療の標準化と医療の質の向上に寄与できることが示された.

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© 2013 産業医科大学
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