抄録
2005年に急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドラインを作成し,初めてこれらの診断・重症度判定基準を定め,2007年に初の国際的なガイドラインTokyo Guidelines(TG07)として発刊した.しかし,両者には相違があり,また,TG07は胆管炎診断の感度が低いことやガイドラインと実臨床とのギャップも指摘された.そこで,新知見を加えるとともに,両ガイドラインで同一の診断・重症度判定基準を策定することとなった.改訂委員会を組織し,多施設で急性胆道炎と非胆道炎症例を集積し,TG07の妥当性を検証し,新たな診断・重症度判定基準を作成した.国際的な意見交換,3回の国際検討会,35回の改訂委員会を開催した.これらを経て,TG13の診断基準の感度は上がり,偽陽性は減少し,重症度も臨床に即したものとなった.世界初の急性胆道炎の診療バンドルも新たに設けた.日本語版もTG13に沿って改訂し,診断,重症度判定,抗菌薬選択に有用なアプリも開発し,無料でダウンロード可能である.