抄録
吸光光度分析法とクリスタルバイオレットによる細菌染色を組み合わせることにより,空気中細菌数濃度を迅速に測定する方法について検討した.環境から分離した細菌を大腸菌換算数3.0×108 colony forming units(CFU)/ml に調整した菌液を原液とし,10倍希釈系列を作成した.作成した各菌液を遠心分離後,上清を除き,クリスタルバイオレット溶液を加え染色を行った.その後,再び遠心分離を行い得られた上清を未吸収試料とし,残った菌体の洗浄を2回行い,洗浄後の染色された菌体にエタノールを加え,菌体から回収した上清を回収試料とした.この試料の高速液体クロマトグラフィーでは染色物質のピーク以外は認められなかった.吸光光度分析の結果,定量下限菌数は,大腸菌換算数として未吸収試料で3.0×107 CFU/ml,回収試料で3.0×108 CFU/ml となり,未吸収試料の方が少ない値となった.