抄録
51歳の男性,高血圧などの既往はなかった.2012年11月下旬に突然の意識障害にて救急搬送.外傷の機転や頭頸部痛はなかった.意識レベルは傾眠,全失語と上下肢に1/5の右片麻痺を認めた.頭部Magnetic Resonance Imagingでは拡散強調画像(DWI)で左中大脳動脈(MCA)領域の広範な高信号を認め,Magnetic Resonance Angiography(MRA)では左内頸動脈(IC)の頸部からの信号の途絶と前交通動脈を介した左血流信号の左MCAのM1部での途絶を認めた.心電図では不整脈などの異常はなく,頸部左ICの急性閉塞と塞栓性脳梗塞が疑われた.エダラボン,アルガトロバンを使用し,血圧管理も行いつつ治療を行った.発症3日後の頭頸部MRAにて左中大脳動脈M1部の再開通,左頭蓋外ICの閉塞と同部血管壁の出血性変化を認め,特発性頭蓋外内頸動脈解離が疑われた.約2週間後の血管造影では解離部の再開通と数珠状変化(pearl & string sign)を認めた.発症4か月後には神経症状はほぼ消失し,解離部も良好に再構築された.