Journal of UOEH
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[短報]
睡眠問題と主観的健康感の関連-勤労者を対象とした大規模疫学調査-
北村 尚人中谷 淳子中田 光紀
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2014 年 36 巻 4 号 p. 295-300

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抄録

勤労者の睡眠問題と主観的健康感(以下,健康感)の関連を明らかにするために,日本人43,092人(男性34,164人,女性8,928人)を対象に質問紙調査を行った.健康感と睡眠問題の関連は多重ロジスティック回帰分析により解析し,オッズ比(OR)を求めた.男女間で健康感を「あまり良くない,非常に良くない」と答えた人の割合に有意な差があったため(男性29.4%,女性34.1%,P < 0.001),男女別に解析した.睡眠問題なしの者に比べ,睡眠6時間未満(OR = 男性1.39,女性1.40),入眠困難(OR = 男性4.44,女性3.85),中途覚醒(OR = 男性5.72,女性4.85),早朝覚醒(OR = 男性3.87,女性4.25),起床困難(OR = 男性3.30,女性3.40),起床時疲労感(OR = 4.97,女性4.82)および仕事中の過度の眠気(OR = 男性2.34,女性2.11)を有する者は有意に健康感が悪かった.睡眠問題と健康感の関連の強さは男女差が認められなかった.本研究により,勤労者において睡眠問題と健康感は関連することが示された.

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© 2014 産業医科大学
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